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Tatsuya Kimura's Website.




Cheburashka.
from Ce n'est pas un journal.





A Requested Column.
ご好評にお答して別コーナーをつくりました。

ぼくはずっとずっとひとりで生きるのかと思ってたよ。

あるいは、7月21日に公開される『チェブラーシカ』について。
---

ものすごく憂鬱な気分で目が醒める。

4時56分。

そんなに早く起きる気はなかった。
みんなみんな遠くへ行ってしまうように思えた。

連絡をとろうとしても、
どうしても返事が来ない人。
長い間、音信不通で、
連絡のしようのない人。
わたしを悪く言っているといううわさ話を耳にしたことのある、
むかし親しかった人。
会っても、
なんとなく視線を逸らされてしまう人。
年賀状をもらっても、
返事が出せなかった人。

森田芳光監督の『の・ようなもの』(1981年)みたいに、
幸福で無自覚な青春時代が終わり、
無邪気にたわむれていた仲間たちが、
気がつくとひとりもいなくなっていたような。

そして、ゲーナのことを思った。

彼は、『チェブラーシカ』に出てくるワニで、
ワニとして動物園に勤めている、
労働者だ。

彼は仕事を終えて、家に帰り、
じぶんがさびしいことに気づく。

それで彼はなにをするのかといえば、
ペンを執り、なん枚も貼紙を書くのだ。

 友だち募集中

すると次のカットでは、
街灯のしたでしくしくとうつむいて泣いている、
子犬がいる。そこに女の子が現れて、
子犬の友だちになる。

ゲーナのもとには、女の子と子犬が現れる。
それから、チェブラーシカも。

彼らは、家の前でたのしく遊ぶ。
そこにライオンがやってくる。
彼もゲーナの同僚だ。

 わたしも友だちがいないのです。

そこへはたしかねこが現れて、
ライオンの友だちになって去っていく

そこでゲーナは思うのだ。

 この街には、
 さびしい人がどのくらいいるのだろう。

ゲーナはずっとずっとひとりで生きてきたかと思うと、
かなしかった。それにそんな人は、
じぶんくらいしかいないのだと思っていたのだと思う。

けど、孤独な人がたくさんいるんだな、
と気づいた。だいじょうぶ、友だちになればいい、
と思ったのだ。

ゲーナは、ものすごく賢い智慧を持っていそうな、
おおきな碧い瞳をふたつ持っている。

その目で世界を観て、
なにも言わずにたたずんでいる。
空は抜けるように青いのに、
彼はすこし憂鬱なメロディを、
アコーディオンで奏でている。
じぶんにはなにもできないように思っている。

でも彼には、友だちがいて、
ちいさくて耳が大きくて、
たよりない寝ぼけまなこの子だけど、
誕生日にはヘリコプターのおもちゃを、
じぶんとともに送りつけてくれる、
やさしい子だ。

なんの力もなくて、
なにも知らなくて、
いったいどんな生き物なのかもわからない。
オレンジといっしょに箱につめられて、
アフリカからモスクワに現れた、
毛むくじゃらで、
でもロシア語だけはできる男の子。
それがチェブラーシカだ。

ゲーナはこの無力の者にたすけられて、
いろんな能力を引き出される。

遊び場がなくて危険なことばかりしてしまうちいさい子たちに、
遊園地をつくってあげる。
鉄屑をあつめるピオネールたちに協力するために、
港の海の底にある鉄屑を思い出し、
たくさん引き上げてみせる。
工場の廃水で汚染された川の汚濁を食い止めるために、
水中に潜って、パイプをせき止めてみせる。

そんなパワーが彼のどこにあったのだろう。

そんなときでもチェブラーシカは、
べつになにをするわけでもなく、
右へいったり左へいったり、
転んだり、運んでもらったりしているだけなのだ。

友だちがいるだけで、
人は、
信じられないくらいの力を、
持てるのかも知れない。

 ぼくはずっとずっとひとりで
 生きるのかと思ってたよ
  ---- 小沢健二『ドアをノックするのは誰だ?』(1994年)

思えば、このところ、
ものすごい勢いで、
人がわたしから去っていった。
毎日電話していた人、
毎日メールやりとりしていた人、
ずっとずっと仲のよかった人。

でも、その代わりに、
ものすごい勢いで、
たくさんの友人ができていく。
そうだ、友だちは、
いつだってたくさんいる。

けれども、とても不安だ。
わたしはこれから、
どうなって行くのだろう。

わたしには、
なにかができるのだろうか。

ゲーナのように、
ひとりだまってアコーディオンを弾くように、
文章を書いて生きていくことしかできない、
わたしだけど。

てのひらからつくりだすような、
ちいさなことしかできない、
わたしだけど。
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ロマン・カチャーノフ監督『チェブラーシカ』(1969, 71, 74年)
配給:プチグラパブリッシング
配給協力:THE KLOCKWORX Co., Ltd. 宣伝:FRAP.
興行:
東京(ユーロスペース:7月21日より)
大阪(扇町ミュージアムスクエア:8月18日より)
名古屋(名古屋シネマテーク:8月4日〜)
京都(みなみ会館)、福岡(シネリーブル博多駅1・2)
岡山(シネマ・クレール)、札幌(シアターキノ)
(2001/06/29)

メールください。

おなまえ。

ひとこと。





*
大好きチェブラーシカ!!

色をつけてみた。

チェブとゲナ
筆:木村立哉

7月21日からユーロスペースで映画が三本立てで公開されるぅ。
水曜日に試写で見せてもらう予定。ウレチの介!!

 ●第一話 『こんにちはチェブラーシカ』
 ●第二話 『ピオネールに入りたい』
 ●第三話 『チェブラーシカと怪盗おばあさん』

ピオネールに入りたいってのが泣けるじゃないのこのタイトル。
かわいい。ピオニェール(Pionjer)てのは、
ソビエト共産党の少年隊みたいなもんで超いい感じ。
子どものころロシア語やっといてよかったー。

しかし公式サイトでチェブがしゃべっていることばがわかんない。
「ヤー・ブトゥーシ・ハチュー」て言ってるように聞こえるけど、
なんて言ってるんだろ。「ヤー・ハチュー(Ja khachju)」て、
「わたしはほしい」て意味でしょう?

だれかおせーておせーて!!
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ロマン・カチャーノフ監督『チェブラーシカ』(1969年)
配給:プチグラパブリッシング
配給協力:THE KLOCKWORX Co., Ltd. 宣伝:FRAP.


Links.

チェブラーシカの部屋 みみこさん。チェブのことならここ。NOUVEAU!

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Amazon.co.jp アソシエイト ロマン・カチャーノフ監督『チェブラーシカ
[映画本]プチグラパブリッシング編『チェブラーシカ
[シール]まるごとシールブック(文庫)『チェブラーシカ
[原作本]エドゥアルド・ウスペンスキ『チェブラーシュカとなかまたち
[原画集]レオニード・シュワルツマン『チェブラーシュカの生みの親 レオニード・シュワルツマン原画集
(2002/07/08、09/13、リンク加筆)






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